就活の記録

Category: diary

21新卒として就職先が決まりましたので、就職活動の流れを記録しておこうと思います。

時系列

就活開始まで

私は神戸大学大学院の修士課程2年で、いわゆる21卒にあたります。 M1の夏のインターンは「金が出ないインターンなんて行きたくない」とか「時給が今のアルバイト先より低いのは嫌だ」とか言って競争率の高いところしか受けずに全滅したので、実質的にはM1の冬ごろから就活を始めたことになります。 また前述したようにアルバイトとして働いており、大阪の某Web企業A社で2018年ごろから勤務を続けています。

10月〜年末年始

事前の準備をしっかり整える方ではないので、早めに始めておかないとどうせうまくいかないと思い、10月ぐらいには就活に手を付け始めることにしました。 B3の頃にインターンを探していた際、一度逆求人系のイベントに行ったことがあるのですが、タイミングよくそこからプロモーションのメールが来たので、そのイベントの運営元が提供している就活エージェントに登録してみました。

まずは就活エージェント経由で紹介された企業の中から4社(B,C,D,E社)程度受けました。 基本的にはWeb系のエンジニアとしての就職をメインに考えていましたが、この時期は組み込み寄りのところやインフラ系の企業も受けてみています。

エントリーシートを書くにも面接で受け答えをするにも慣れないことには始まらないので(事前の練習というものをしないので)、とりあえず場数を踏んでいくという方針は後から振り返ると悪くはなかったと思います。 とはいえ、当初エントリーシート一社分書くのに一日では収まりませんでしたし、面接もかなり失敗を重ねてしまいました。 会社を受けること自体が大幅に疲弊する上に面接で落とされ、常にメンタル面にダメージが入り続けるので当時は散々な気分でした。

応募したうちのC社から内定を頂き、また年末頃にアルバイト先のA社に滑り止めとして応募したところすぐに内定が出ましたが、正直微妙という気分でした。

年明け〜3月

年明けから就活に本腰を入れようと考え、就活エージェント経由以外にも興味のある企業を受け始めたり、別の運営元の逆求人イベントに参加したりしました。 就活エージェントを通しての紹介ではもとから興味のあった企業には志望度面で及ばないような気がしてきたので、そちらを経由しての応募は減らしていきました。

逆求人イベント経由で応募したF社からは内定が出て以後しばらくキープしていたのですが、それ以後はどの企業もことごとく落ち、3月ぐらいにもなると焦りが大きくなっていき、前言を翻してあまり待遇のよくないインターンに行ってみるなど迷走し始めています。

4月

G社やH社に早々に祈られ、ほかに志望度の高いJ社は選考がなかなか進まなかったり、K社のWebテストで落ちまくったりして4月を迎えましたが、内定を頂いたF社がそろそろ承諾期限を切ろうとしてきたのでお先真っ暗という感じの気分でした。 J社の選考がようやく進み始めて最終面接の日程が出たため、内定期限をその最終面接日+1週間の日付に延ばしていただくことにしました。 とはいえ、もし内定が出なかった場合にこの会社に行きたいかと言われると疑問を感じるようになっており、「内定がある」という事実を維持するためだけに内定辞退を先延ばしにしていた感じが否めません。

なんにせよ精神的にはほぼ全く余裕がなくなった状態で、春休みで他にすることもないのに面接の日まで10日ぐらい空けられてしまったため毎日ガタガタ震えながら布団にくるまって夜を過ごしていました。 手元の内定先にはそんなに行きたくないし志望度の高い企業は既にだいたい落ちた、という全方面で決死の撤退戦を繰り広げているかのような状況下で最終面接に臨むことになりましたが、ここで即日内定を頂いたため形勢の回天が為されることになります。

ここと同等以上に志望度が高い企業は2社しかなかったため、この内定が出たことで既存の内定はすべて辞退し、就活を終わらせる方向にシフトしていきました。

5月〜7月

K社の何回も再挑戦できるWebテストで落ちまくっていまいたが、最終タームで奇跡的に通ったのでその後の面接を受けたらすんなりと内定が出てしまいました。 もう1社だけ受けたいと思っていた企業(L社)があるのですが、この年に世界中で猛威を奮っていた感染症の影響で採用フローが停止しており、結局受けられませんでした。 L社の採用が再開されないか様子を見るという名目でK社の内定承諾期限を7月末に設定してもらい(J社はありがたいことに無期限で考えていいと言ってくれましたが)、J社とK社でしばらく迷ったのち、先に内定を頂いた方に入社することに決め、7月中旬ごろに就活が終わりました。

時事

今年の就活は2020年に拡大した新型感染症の影響を受けており、主に面接がすべてオンラインになったり受けたい企業に応募できなかったりしました。 とはいえ元からオンラインの面接も多かった業種なので、全体的な影響は少ない方のはずです。

面接の質問のネタとしてその企業のリモートワークの度合いを自然な流れで聞けるという点でありがたくもありました。 ソフトウェアエンジニアがリモートワークできなければ他のどの業種がリモートワークできるんだ、という感覚があるので、リモートワークを積極的に推奨している企業やリモートワークへの移行が早い企業などは好感度が高かったのですが、稀にリモートワークに否定的っぽい反応を返されることがあったり、感染症の流行が落ち着いたら完全にリモートワークを取りやめるというところもあり、そういった会社を早期に発見できる点でも便利でした。

企業の選び方

待遇が良いところに行きたい、と最初は言っていたのですが、実際には「強い技術者がいて」「つまらないプロダクトを作っているわけではない」ような前提条件を満たした上で、かつ待遇が良いところに行きたい、という意味だと気づくのにやや時間がかかりました。 このように暗黙のうちに当然と思ってしまっていることなども含めて言語化していくことは案外と重要なことなのかもしれません。 ESの文言を絞り出したり、面接の場で聞かれたことに答えようと話しているうちに自分の考えが纏まってくることもあり、就活を進めていくうちに少しずつ自分がどのような基準で企業を選ぶのかが見えてきた感じです。 私の企業の選び方としては、カルチャーとしてはベンチャーっぽいところに行きたいものの、ある程度儲けていなければそもそも従業員に払う金がなく、規模が小さいと自分より優秀なエンジニアの絶対数が少なくて技術を盗みにくいので、いわゆるメガベンチャーの志望度合いが高くなる傾向がありました。

受けた企業

時系列に沿って適当にアルファベットを振っています。

A社

もう3年近くアルバイトでお世話になっている企業で、受けたら一瞬で内定が出ましたが、志望度の高い企業に比べると技術力に差がありすぎるかなあと思っていました。

B社

B3での逆求人イベントでも担当の方と会ったことがあり、悪くない印象だったので受けました。 就活を始めてから最初に受けた企業ですが、最終面接で大失敗したのでかなり厳しい気分になりました。 後から考えると、あの程度の待遇であの内容の面接しかできないなら落としてもらって正解でしたね

C社

B社の最終面接で失敗した翌日に暗い気分で最終面接を受けたら通りました。 最終面接で実際に訪れてみて、A社と同じような人の足りなさ、悪い意味での規模の小ささを感じたので*社の内定が出たときに辞退しました。

D社

ESは通りましたが面接で落ちました。 技術面接で、メソッド内の複雑なロジックを簡潔に書くのを諦めて説明のコメントをたくさん書く方針をとったのを突っ込まれて口答えしたのが悪かったか、リモートワークのほうが出社するより良いと思っているのが社風に合わなかったかのどちらかだと思います。

E社

待遇が良いらしいという話だったので受けましたが、提出物を2回ぐらいすっぽかしたら落ちました。 スケジュール管理に追われていたとはいえ2回も締め切りを把握し損ねたのは自分でも申し訳無さを感じますが、一方で忘れたのが両方ともこの会社で良かったと思わないでもないぐらいには業務内容に興味が湧きませんでした。

F社

Webよりも組み込みに近いことをやっている会社でしたが、ユニークな業務内容で面白そうだったので受けたら受かりました。 よく評価していただいて内定承諾期限も待って頂いたので頭が上がりませんが、他の内定先と比べると主に待遇面で一定の差をつけられていること、あまりWebじゃないという点で最終的に辞退しました。

G社

あまり調子も良くなかったし、最後に出てきた面接官は正直なところ相性が全然良くありませんでした。面接時の希望言語をJavaScriptに指定しているのにC++の言語仕様について聞かないでいただきたい

H社

英語の履歴書を求められたので、同様に英語の履歴書を出したG社のついでに受けたら一次面接で落ちました。 職務面での専門的なスキルが即戦力となるレベルには達していないという判断をされたのだろうと思います。

I社

就活エージェント経由ではおそらく最後に受けた企業で、その時はあまりピンとくるものがなく、最終面接まで進んだのですが志望度合いの高さが十分には感じられないという一点で落とされました。 実際その通りで、後から考えるとかなり良い会社だったのではないかと思っており、もう少し企業研究をしておくべきでした。 技術面でも魅力的で面談の感じもよく、落ちた後のフィードバックもしっかりと頂けたので受ける前と比べてイメージはかなり上がりました。

J社

なかなか面接の予約が取れない時期があり選考にかなり時間を要しましたが、二次面接を過ぎてからは頻繁に面談の機会が設けられてサポートが手厚く感じました。 応募した当初はK社などの第一志望群に比べると志望度は一つ落ちる程度だったのですが、受けているうちに志望度が上がっていき、結局ここに入社することにしました。 技術面・待遇面ともに満足できそうで、同様の条件のK社と比較して検討を重ねましたが、社風が自分に向いていると思ったことや比較的幅広い分野に手を出せそうなことが将来的に良いのではないかと思ったことを理由に決めました。

実のところ待遇面ではK社よりもわずかに劣るオファーが出されており、何も言わずに安売りするのは嫌だという理由で初任給を上げてくれと頼んだのですが断られました。 結局言いくるめられているのではないか、という感じですが、ある程度食い下がってもその度に適切に理由を提示して反論されたので、真摯さを感じて逆にプラスイメージになったことは否定できません。

K社

8回ぐらい挑戦の機会があるかわりに難易度の高いWebテストを実施している会社です。 知人が働いている会社でもあり、技術力が高そうだったので志望度は高めでした。 待遇もかなり良く感じたためJ社とかなり迷ったのですが、一つの技術を伸ばすには良いものの、分業が進みすぎていて複数の分野を幅広くやるといったことは難しそうだと思ったので辞退することにしました。

ここだけの話ですが、「負け慣れていない」のは面白みにかけると思ったので私にとってはマイナス点でした。

L社

B3のときに本社を訪れたりしていて志望度は高かったのですが、採用活動が停止されて結局夏まで再開されなかったので諦めました。 実際この企業に応募できなかったのは残念ですが、まあ今回は縁がなかったということかもしれません。

就活対策について

面接対策

有名なこの本を図書館から借りてきましたが、主にコーディングに関係のない面接対策のページだけ少し読んで他はほとんど読みませんでした。 就活中はAtCoderのコンテストに復帰して何度か参加していましたが、とはいえ慣らしておく程度の感覚でした。

実際に面接を受けて慣れていくのが私にとって最大の面接対策だったように思います。

イベントやエージェントの利用

某就活エージェントを利用したり、逆求人イベントに2回ほど行ったりしました。 結果的にもともと興味があった企業よりも良いと思える企業にはほとんど出会えなかったのですが、就活戦線に詳しい担当者からアドバイスをもらえますし、イベントでの発表内容をしっかり考えることでESが書きやすくなったり、いろいろな企業の話を聞くことで視野が広がるなど、メリットは大いにあると思います。 あまり使いすぎても消耗が激しいですが、就活の序盤などで最大限に利用しておくと感覚をつかみやすくなるので良さそうだと感じました。

(B3やM1の夏の)インターン

全然行きませんでした。 一つインターンに行くと他のインターンにも行きやすくなるような傾向を(傍から見ていて)感じたので、最初のうちは待遇が悪いなどと言っていないで行ったほうがいいのではないかと思います。 インターンの受かりやすさも結局はインターンの場数を踏めば上がっていくのではないでしょうか。

インターン先に新卒で受ける場合に選考面で優遇されるというような話をいろいろと聞くので、この面でも行けるなら行っておいたほうが良いと思います。 M1の夏が過ぎてからの、就活本番と時期が被るインターンは志望度の高い企業でなければ行かなくていいと思います。

先人に聞く

非常に効果的な就活対策ですが、罠もあるので注意すべきところは注意したほうがよいです。 まず気をつけておかないといけないのは、就活は人によって全然違うという点です。 違うところを見ている人の就活をもとにしたアドバイスを聞いても全然役に立たないどころか混乱してしまうこともあります。これは個人的な親しさとは無関係です。 一方で就活の方向性が似通っている人のアドバイスは役に立つことが多く、自分にとって良いアドバイスをくれる人からはたくさん話を聞くとその分だけ役に立ちます。

振り返り

就活を始めてから半年以上かかる長丁場になりましたが、7月中旬に内定承諾したことでようやく就活が終わりました。 本選考への応募を始めたのが10月頃と、かなり早めに始めたほうだとは思いますが、その分だけ経験値を稼げたことが内定に繋がった面もあると思います。 とはいえ、就活が長引くと精神的に疲弊するうえ、微妙な内定をキープしていても承諾期限に追われるプレッシャーばかり大きくて一概にメリットとは言えないことから、早くから動き始めることにも一長一短あると感じました。

いろいろ大変でしたが、最終的に満足できる結果が得られたと考えています。 お世話になった方々に改めて感謝を申し上げたいと思います。